HIRO『Bボーイサラリーマン』(幻冬舎文庫/文庫)

EXILEのリーダーHIROの自伝的エッセイ。あとがきで、ぜんぶオレが書いたとはもちろん言わない的なコメントがあって噴いた。なんたる自己開示。

ZOOに参加するまでのシンデレラストーリーや、MAX松浦との絡みはけっこうスリリング。業界の裏側を見たような気になれる。そんな中でも、若い他のメンバーとのかけあいシーンなどが興味深い。HIROはあくまでも、『昔ヤンチャしてたオッサン』のスタンスなんだよな。

若いときは俺もこう考えてたよ、バカだったね、でもそんな想いも無駄じゃなかった、おかげで今のオレがいる、だから今お前が大切にしてるものもワカルヨ、なんてね。これ、若手に対する典型的なモチベーションコントロールの手法だわ。タイトルに偽りナシ。中間管理職のサラリーマンほど得られるもの多し。

Bボーイサラリーマン (幻冬舎文庫)

Bボーイサラリーマン (幻冬舎文庫)

2009/05/23読了(75冊目)

村上春樹『若い読者のための短編小説案内』(文春文庫/文庫)

村上春樹の小説の読み方を疑似体験できたのが収穫。小説を楽しむ新しい定規を手に入れた感じ。読み方ってなかなか体得できないもん、そういう意味ではお役立ちな本なのかも。

それに、取り上げられている作家が未読のばあい、すごく読みたくなる。村上春樹が、なぜこの小説を面白いと思ったかを素直に語ってるからなんだろうな。面白いと思ったことを、丁寧に、ベターな言葉を選んで伝えられるのって素敵なことだよなあ。

小島信夫が気になったので読んでみよう。その後、再読したい。

若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)

若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)

2009/05/20読了(74冊目)

浅草キッド『お笑い 男の星座―芸能私闘編』(文春文庫/文庫)

男臭い!ホモソーシャルな世界だなー。浅草キッドが覗いた、芸能界の素っ裸。芸も愛もあって読後感が大変よかった。

お笑い 男の星座―芸能私闘編 (文春文庫)

お笑い 男の星座―芸能私闘編 (文春文庫)

2009/05/10読了(73冊目)

池上真由美『江戸庶民の信仰と行楽』(同成社/単行本)

伊勢参りに代表される、江戸に住む庶民にとって極上の娯楽だった『旅』。それは、信仰と深く結びついていた。行楽の形態、行楽地となった信仰の場にまつわる宗教的観念から、観光客を呼び寄せるためのPR戦略の数々まで。江戸という時代を『信仰』と『行楽』から読み解く試み。

読みやすかった。著者が学者ではなくライターだからなのかな。ガイドブックとして機能していた書物の役割や爆発的な人気を誇った江ノ島のPR手法など「へー」と思うことが多くて楽しい。

江戸庶民の信仰と行楽 (同成社江戸時代史叢書)

江戸庶民の信仰と行楽 (同成社江戸時代史叢書)

2009/05/05読了(72冊目)

松本人志『遺書』(朝日新聞社/新書)

ダウンタウン松本人志が語るお笑いプロ論。自力で自説を掴み取った人は強いよねー。解りやすく力強い言葉が多いので、ついつい感化されちゃいそう。

遺書

遺書

2009/05/02読了(71冊目)

木田元『反哲学入門』(新潮社/単行本)

こういうの読みたかったのよー。現代までの『哲学』の流れを俯瞰して、平易な言葉で説いてくれてる。哲学がぐっと解りやすくなった。詳しくはまた。

反哲学入門

反哲学入門

2009/05/02読了(70冊目)

野家啓一『物語の哲学』(岩波現代文庫/文庫)

読みきれず!

人はなぜ物語るのかを、歴史の創造という視点から追求している(って内容でいいんだよな…)。

すごく興味のある題材だし、面白そうな匂いがぷんぷんしたんだけど、哲学者たちの名前や彼らが規定した用語が多すぎて、その理解に飽きて断念。大枠の知識が付いてからまた読もう。

しかしこの分野って、知らないとそもそも議論にならないことが多そうですね。哲学するんじゃなくて、哲学について議論を繰り返して、やっと高みが見えてくるんだろうなあ。大変大変。興味本位の人は、まずは古典から読むほうが変な論争に巻き込まれずにのうのうと遊べそうだなーと思いました。

物語の哲学 (岩波現代文庫)

物語の哲学 (岩波現代文庫)

2009/04/26図書館に返却。