2009-06-11から1日間の記事一覧

小島信夫『抱擁家族』(講談社文芸文庫/文庫)

妻とアメリカ兵の不貞、病気、家の建設。自らの属する社会を再構築しようとする夫の努力と、その喪失。夫がアイデンティティを保つために関係性に依存してるのが、戦後すぐの話なのに、なんだかすごく今っぽい。狂気をこんなにも冷静に書けるもんなんだなー…

沼野恭子『ロシア文学の食卓』(NHKブックス/単行本)

ボルシチやピロシキ、お茶を沸かすときに欠かせないサモワールなど、ロシアの食文化を通じて成される文学紹介。映画でも小説でも、食の描写についつい引き込まれてしまう身としては大変楽しめた1冊。ブリヌィ食べてみたい。イクラやキャビアを塗りつけてバタ…