2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

小島信夫『抱擁家族』(講談社文芸文庫/文庫)

妻とアメリカ兵の不貞、病気、家の建設。自らの属する社会を再構築しようとする夫の努力と、その喪失。夫がアイデンティティを保つために関係性に依存してるのが、戦後すぐの話なのに、なんだかすごく今っぽい。狂気をこんなにも冷静に書けるもんなんだなー…

沼野恭子『ロシア文学の食卓』(NHKブックス/単行本)

ボルシチやピロシキ、お茶を沸かすときに欠かせないサモワールなど、ロシアの食文化を通じて成される文学紹介。映画でも小説でも、食の描写についつい引き込まれてしまう身としては大変楽しめた1冊。ブリヌィ食べてみたい。イクラやキャビアを塗りつけてバタ…

スタニスワフ・レム(著)、飯田規和(訳)『ソラリスの陽のもとに』(ハヤカワ文庫/文庫)

惑星ソラリスでの未知の生物との邂逅を描くSF。人間の概念では理解しえない存在を、人間はどうとらえるのか、とらえられるのか。示唆に富みすぎててなんつったらいいのかわからんな。すげー面白かったです。ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)作者:…

HIRO『Bボーイサラリーマン』(幻冬舎文庫/文庫)

EXILEのリーダーHIROの自伝的エッセイ。あとがきで、ぜんぶオレが書いたとはもちろん言わない的なコメントがあって噴いた。なんたる自己開示。ZOOに参加するまでのシンデレラストーリーや、MAX松浦との絡みはけっこうスリリング。業界の裏側を見たような気に…