2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』(新潮社/単行本)

長くてしつこく、ひたすらクドい!謎解きはいつまでたっても終わらず、主人公は次々に時空を超え、ぼくはへとへとに疲れたのだった。あー面白かったー。書くべきことを捕まえるためにじっと目を凝らし、1000P以上の筆を費やした舞城王太郎の辛抱勝ち。この苦…

大塚英志+東浩紀『リアルのゆくえ─おたく/オタクはどう生きるか』(講談社現代新書/新書)

大塚英志のほうがオリジナリティだったりコミュニケーションの力だったり、なんていうか、人間のプリミティブなものを信じているんだなーという印象。タコツボ化したり村化したり自家中毒がはじまったりしたときに、それでもいいじゃんって、全体が見えなく…

入間人間『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸』(電撃文庫/文庫)

「嘘だけど」。みーくんの口ぐせを活かした仕掛けが巧い。地の文でも嘘を交えて読み手を罠に誘い込む周到さ。でもその嘘が結果的に救いになっているからそこ、読後はさわやかです。ヤンデレ(っていうか壊れてる)まーちゃんのピーキーな様子を可愛いと思え…

ポール・ホフマン(著)、平石律子(訳) 『放浪の天才数学者エルデシュ』(草思社/単行本)

天才は極端だ。この本で取り上げられている数学者、ポール・エルデシュを知って、ますますそう思った。オイラーに次ぐ約1500篇という大量の論文を書き上げた彼の生涯は、極端な数学漬けだったそうです。1日のうち19時間を問題を解くことに充て、世界中の数学…

エルヴェ・ティス/ピエール・ガニェール (著)、伊藤文(訳)『料理革命』(中央公論新社/単行本)

既存の料理手法に疑問を投げかけ、実際のレシピで応える。「料理の真理」を追求するために、文学、美学、哲学、それに絵画や音楽などの思想をヒントとして展開されるエルヴェ・ティスとピエール・ガニェールのレッスン。合間に挿入される小説風のテキストに…