2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

アリストテレース(著)、ホラーティウス(著)、松本仁助(訳)、岡道男(訳)『詩学』(岩波文庫/文庫)

特に悲劇を題材とした、お話の作り方のハウツー本。これ2000年以上前に書かれたテキストですよね、ぼくらのストーリーの作り方って彼が浮き彫りにしたアウトラインから出てないじゃん!という驚きが一気に読み終えた感想。あえてハウツー本なんて言いたくな…

阿刀田高『楽しい古事記』(角川文庫/文庫)

枝葉はバッサリと切り落とし、古事記のエッセンスだけを抽出したエッセイ。神様の鼻の穴からまた神様が生まれてくるとか、発想が自由すぎて笑える。アミニズム的な視点で自然の猛威や雄大さを理解しようとしたからなんだろうか。神様たち、ガンガンまぐわっ…

藤枝静男『田紳有楽;空気頭』(講談社文芸文庫/文庫)

贋作の抹茶茶碗が人に化け、ぐい飲みが金魚と子を作り、弥勒菩薩がこの世の終わりを笑い太鼓を叩く。破天荒な世界を精密な筆で描いた『田紳有楽』と、「私小説」のフォーマットを踏襲しつつも自然描写だけでは記しきれない人間の業のようなものを表現しよう…

阿刀田高『新約聖書を知っていますか』(新潮文庫/文庫)

『旧約聖書を知っていますか』の続編とも言うべき、新約聖書を題材にしたエッセイ。ユダヤ人のための宗教だったユダヤ教を、誰もが信仰できるものに置換するために、イエスってアイコンは必要だったのね、と納得。宗教周辺、まだまだおもろいなー。それにし…