入間人間『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸』(電撃文庫/文庫)

「嘘だけど」。みーくんの口ぐせを活かした仕掛けが巧い。地の文でも嘘を交えて読み手を罠に誘い込む周到さ。でもその嘘が結果的に救いになっているからそこ、読後はさわやかです。ヤンデレ(っていうか壊れてる)まーちゃんのピーキーな様子を可愛いと思えるのも、物語を支えるみーくんの覚悟と大きな嘘のおかげ。血みどろの描写すらあるっていうのに、ねえ。

西尾維新との類似点を指摘されているけれど、キャラ設定や生命っていうか世界全体の扱い方が軽いというくらいだったかなー。個人的には気にならなかったです。

2008/09/08読了[32冊目]