読了
膨大な固有名詞によって形成されている四方田犬彦の自分史を読むと、妬ましくなる。これだけの知識を携えて世界を理解していくのって、楽しいんだろうなーって。四方田犬彦自身、妬まれ、羨ましがられることを狙って書いてるんじゃないか?と勘ぐりたくなる…
中学生以来の再読。以前の感想はずばりエロ小説。淫靡な、なんかいけないものを読んでいるような感覚が好きで、でも川端康成ってブンガクで偉い人なんでしょ?へんなのーなんて思いながら読んでいた気がする。今回は、構成の巧みさにびっくりした。尋常じゃ…
現在は図書館情報学の研究者として大学に籍をおく著者が、東京都立中央図書館の相談係としてレファレンスを担当していた日々を綴った日記。レファレンス自体利用したことがないし、そもそもそんな機能が図書館にあることを知らなかった。1人でインターネット…
ロック、映画、文学に学園紛争。カルチャーも政治も人も熱に浮かされていた1969年に、いっとう時代の空気を吸収していた進学校で青春時代を過ごした著者の回顧録。村上春樹や庄司薫によって消毒された1969年しか知らなかったから、当時の雰囲気を熱を持って…
労使の矛盾とアイデンティティの探求と、理性をもった生き物のワガママさのSF戯曲。意外ととっつきやすかった。『夜の来訪者』読んだときも思ったんだけど、海外文学で出てくる労働者の悲哀とみたいなのって日本の文脈だと何が一番近いんだろう。陰気な、出…
面白い!自分のことを「ぼく」と言ったり、あるいは「おとうさん」と役割で表現したりするあいまいな日本人の自称詞、対照詞を説明していくくだりは感心。関係性のなかで自己のキャラクターを切り替えていく日本人らしさって、日本語にも明確に反映されてる…
最近の高橋源一郎も小説のための小説をよく書いてるけど、初期のころってもっと真っ向勝負だったんですね。書き上げたのがすごい。虹の彼方に (講談社文芸文庫)作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/11メディア: 文庫購入: 1人 クリック:…
実制作者向けというよりは、広告営業向け思考フローのテンプレート紹介という印象。もしくは表現に走りがちなクリエイティブ職1年生が読んでも役立ちそう。プレゼン、もしくは初訪前に読むと思考が整理されて便利かも。コンセプトメイキング 変化の時代の発…
『アート』ってカッコつけてて虚無的で、知ろうとする人に考えるな感じろバカーって接するかのようなイメージがあってぼくは勝手に気恥ずかしかったんだけど、大竹伸朗はその気恥ずかしい部分をちゃんと言葉で捉えてくれている気がして新鮮だった。同属嫌悪…
色んな経験してる人のほうがいまま見たことないような強度のある面白いこと、出来るんだよなあ。ボヘミアン期間ナシでふつうに学校出て企業に就職してって経歴の人がやった面白いこと事例集みたいなのってないだろうか。篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人…
相手に興味を持つこと、うそはつかないこと、知らないことは教えてもらうこと。そのために事前準備に時間を割いて、出来る限りの情報を取り入れてから取材すること。当たり前のことをやってる人のインタビューは濃いと再確認。取材時にキャリアをグラフ化し…
やっぱり、言語の違いによってだいぶ考え方のプロセスって変わるんだなーと思った。aやtheのくだりとか、へーってなった。話の対象をかなり明確に指定する必要があるんだね英語。あと、気づいた自分の良くないクセ。英文のところをさらっと読み流してしまう…
大抵の人はこの本で取り上げられている働き方とは真逆の、組織の中で役割をまっとうするタイプの労働をしてる。そんな仕事では目的、成果物、得られる経験、カタルシスみたいな、ひとくくりにして『仕事の意味』はどうしたって認識しづらい。ぼくを含むそん…
定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)作者: 三戸祐子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/04/24メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 65回この商品を含むブログ (132件) を見る2008/04/あたまくらいに読了[2冊目]
言語という道具を使って世の中を理解するレッスンみたい。言葉が先か事象が先かって問題で悩まなくていいぶん、世界を捕まえる技術を磨きやすい分野っぽい!と思ったけどきっとそれは村上春樹が語っているから単純化されているだけで本当はもっと大変なんだ…