「いったん凍結しようかと思いましたが、ゆるゆる営業を続けます」と前回のエントリーで書いてから9年半(9年半…!)が経ちました。キリがよくない。みなさんおかわりありませんか。日記よりも短くてツイッターよりも長い文章を書く場所がほしくて、帆立本の…
更新滞っております。何をしているかというと、ゲームしたり寝たりしています。スンマセン。読書はちょっとお休み中。本読む気分じゃないぜーメモなんてしたくないぜーなんて思っているんですが、どうせしばらくしたらまた本いっぱい読みたい!って時期が来…
マザーズ上場後の、倒産しそうなあたりが面白かった。上場益は株主たちの先行投資であり、企業は新規事業開発や既存事業の拡大に投下して回収・増益しなくちゃならないって基本原則を思い出した。ゴリゴリの営業マンがメディアにも強みを持つ企業を育ててる…
イマジネーションの素がてんこ盛り。完全な真空 (文学の冒険シリーズ)作者: スタニスワフ・レム,沼野充義出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 1989/12/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 94回この商品を含むブログ (71件) を見る2009/06/21読了(79冊目…
妻とアメリカ兵の不貞、病気、家の建設。自らの属する社会を再構築しようとする夫の努力と、その喪失。夫がアイデンティティを保つために関係性に依存してるのが、戦後すぐの話なのに、なんだかすごく今っぽい。狂気をこんなにも冷静に書けるもんなんだなー…
ボルシチやピロシキ、お茶を沸かすときに欠かせないサモワールなど、ロシアの食文化を通じて成される文学紹介。映画でも小説でも、食の描写についつい引き込まれてしまう身としては大変楽しめた1冊。ブリヌィ食べてみたい。イクラやキャビアを塗りつけてバタ…
惑星ソラリスでの未知の生物との邂逅を描くSF。人間の概念では理解しえない存在を、人間はどうとらえるのか、とらえられるのか。示唆に富みすぎててなんつったらいいのかわからんな。すげー面白かったです。ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)作者:…
EXILEのリーダーHIROの自伝的エッセイ。あとがきで、ぜんぶオレが書いたとはもちろん言わない的なコメントがあって噴いた。なんたる自己開示。ZOOに参加するまでのシンデレラストーリーや、MAX松浦との絡みはけっこうスリリング。業界の裏側を見たような気に…
村上春樹の小説の読み方を疑似体験できたのが収穫。小説を楽しむ新しい定規を手に入れた感じ。読み方ってなかなか体得できないもん、そういう意味ではお役立ちな本なのかも。それに、取り上げられている作家が未読のばあい、すごく読みたくなる。村上春樹が…
男臭い!ホモソーシャルな世界だなー。浅草キッドが覗いた、芸能界の素っ裸。芸も愛もあって読後感が大変よかった。お笑い 男の星座―芸能私闘編 (文春文庫)作者: 浅草キッド出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2003/03/07メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 2…
伊勢参りに代表される、江戸に住む庶民にとって極上の娯楽だった『旅』。それは、信仰と深く結びついていた。行楽の形態、行楽地となった信仰の場にまつわる宗教的観念から、観光客を呼び寄せるためのPR戦略の数々まで。江戸という時代を『信仰』と『行楽』…
ダウンタウン松本人志が語るお笑いプロ論。自力で自説を掴み取った人は強いよねー。解りやすく力強い言葉が多いので、ついつい感化されちゃいそう。遺書作者: 松本人志出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 1994/09/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 44回…
こういうの読みたかったのよー。現代までの『哲学』の流れを俯瞰して、平易な言葉で説いてくれてる。哲学がぐっと解りやすくなった。詳しくはまた。反哲学入門作者: 木田元出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/12メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 41回…
読みきれず!人はなぜ物語るのかを、歴史の創造という視点から追求している(って内容でいいんだよな…)。すごく興味のある題材だし、面白そうな匂いがぷんぷんしたんだけど、哲学者たちの名前や彼らが規定した用語が多すぎて、その理解に飽きて断念。大枠の…
在日韓国人三世の著者が自らのアイデンティティを模索するかのように、日韓の音楽の歴史を旅した記録。韓国のポンチャック(別称:トロット)のメロディが日本の演歌にそっくりなのはなんでだろ?でもメロディは似てるのに、ポンチャックは四つ打ち。同じよ…
法の体系や思想を著者の意見を交えて読み解く、法の入門書。社会の基盤になっている概念ってどんなもんじゃろ、と思って読んでみた。西洋では資本主義市場の要請から法が必要とされ整備された健全なものだったのに対して、日本のそれは開国に伴ったトップダ…
『妖怪』という概念が成立しえたのは、どのような背景からか?といった文化論にはじまり、妖怪の起源、各妖怪のキャラ設定、さらにはその周辺文化までを俯瞰的に捉えた入門書。妖怪ってそもそも、闇夜で感じる怖さだったり、人の恨みつらみだったり、常識で…
女性が自立し、『自分らしく生きる』ためにはどうしたら良いのか?『女性として』成功してきた著者がそのノウハウを過去の自分と同じように悩む同輩に向けて公開。わかったー。勝間和代が売れてるのは答えが書いてあるからなのね。「自分のときはこうだった…
『こころ』の起源を内臓、つまりはらわたの発達から読み解く講演を文章化した、三木成夫のデビュー作。『胎児の世界―人類の生命記憶』を読んだときも強く感じたのだけど、ほんと紙一重だよなー、この人の論調って。「切れる頭とは言うけれど、切れるこころと…
構造主義やポスト構造主義といったフランス現代思想の解説書。ソシュール、バタイユ、ラカン、デリダ、ドゥルーズ、レヴィ・ストロースといったぼくでも知ってる哲学者たちの思想を体系的に俯瞰できる、ニューアカの代名詞ともいえる1冊。軽妙な文体で各論を…
赤塚不二夫の対談集。相手は、タモリ、柳美里、立川談志、北野武、ダニエル・カール、荒木経惟、松本人志。こんな言い方したら赤塚せんせいはきっと嫌がるんだろうけど、すごく芸術家肌の人なんだなと思った。「面白い」ってことに真摯に向き合って、埃や泥…
群馬県高崎市に住む一人暮らしで酒飲みの芥川賞作家が雑誌『Hanako』に連載していた、自炊生活試行錯誤エッセイ。美味しそう。読んでると、なによりお腹が減ってくる。高山なおみの『日々ごはん』みたいな軽やかさがあって気持ちよく読めた。特に表題の回は…
カントの人となりに迫りながら、彼の哲学を紐解いていくカント哲学の入門書。読みやすかった!エゴイズムや虚栄心といった今ぼくがまさに気になる分野の先達であるカントですが、いかんせん難しくって。これなら楽しみながら読める。本書はカントの著作を追…
カントのちょう難解な著作である『純粋理性批判』を読み解く工夫がぎっしり詰まった解説書。読みきれず!原書に当たることになったら、また手に取りたいです。哲学書はとかく文章が小難しい。『統覚』に『超越・覚知』、『予料』って言われても、はて何のこ…
ココで書き始めて、ちょうど1年くらい経ちました。図書館で本を借りるようになって、手元に残らないのが寂しいからせめてメモしようと気分は日記のサブアカとしてスタートさせましたが、予想以上に自分の読んだ本を記録することが面白く、苦もなく続けること…
「宗教」とは何なのかを体系化する。「事実を客観的に取り上げて主観的な価値判断を避け」「宗教を人間の生活現象の1局面として捉え」「特定の一宗教ではなく複数の多宗教を資料として取り扱う」ことを旨とした「宗教学」の入門書。これは良い入門書。信仰の…
公認会計士二次試験を史上最年少の19歳で合格し、フルタイムで仕事をしながら3人の子どもを育て、中小企業診断士試験とオンライン情報処理技術者試験を合格。さらにTOEICは新卒時420点から3年間で900点へアップ、社会人大学院ではファイナンスMBAを取得し、…
特に悲劇を題材とした、お話の作り方のハウツー本。これ2000年以上前に書かれたテキストですよね、ぼくらのストーリーの作り方って彼が浮き彫りにしたアウトラインから出てないじゃん!という驚きが一気に読み終えた感想。あえてハウツー本なんて言いたくな…
枝葉はバッサリと切り落とし、古事記のエッセンスだけを抽出したエッセイ。神様の鼻の穴からまた神様が生まれてくるとか、発想が自由すぎて笑える。アミニズム的な視点で自然の猛威や雄大さを理解しようとしたからなんだろうか。神様たち、ガンガンまぐわっ…
贋作の抹茶茶碗が人に化け、ぐい飲みが金魚と子を作り、弥勒菩薩がこの世の終わりを笑い太鼓を叩く。破天荒な世界を精密な筆で描いた『田紳有楽』と、「私小説」のフォーマットを踏襲しつつも自然描写だけでは記しきれない人間の業のようなものを表現しよう…